確率変数のばらつきを測る分散と標準偏差を学びます。
確率変数Xの分散は V(X) = E[(X - μ)²] = E[X²] - μ² で定義されるの。
標準偏差はその平方根、√V(X) ね。
基本の考え方は1変量データの分散・標準偏差と同じなのよ。
じゃあ、サイコロのVっていくつになるの?
便利式 V(X)=E[X²]-μ² を使うわ。
まずE[X²](2乗の期待値)を出して、そこからμ²(平均の2乗)を引く、という2段階で計算するの。
コインや二項分布みたいな代表的な分布だと、分散の公式が出てくるんですよねぇ?
そうなのよ。
二項分布や正規分布にはちゃんと分散の公式があって、後の記事で詳しく扱うわね。
確率変数の分散・標準偏差
公式:
V(X) = E[(X - μ)²] = E[X²] - μ²
σ(X) = √V(X)
例: サイコロの出目X
μ = E[X] = 3.5
E[X²] = 1²×(1/6) + 2²×(1/6) + ... + 6²×(1/6)
= (1+4+9+16+25+36)/6
= 91/6 ≈ 15.17
V(X) = E[X²] - μ² = 15.17 - 12.25 = 2.92
σ(X) = √2.92 ≈ 1.71
分散が表すものを比較する
確率変数Xが0と2をそれぞれ確率1/2で取るとき、平均は1です。平均からのずれは-1と1なので、分散は(-1)²×1/2+1²×1/2=1です。一方、確率変数Yが常に1を取るなら平均は同じ1でも、ずれは常に0なので分散は0です。平均だけでは同じに見える二つの分布を、分散が区別します。
分散はずれを二乗して平均するため負になりません。二乗の単位になるので、元の値と同じ単位で解釈するには平方根を取った標準偏差を使います。「分散が16だから標準偏差も16」とせず、√16=4まで計算してください。
一次変換の計算例
Y=aX+bなら、E[Y]=aE[X]+b、V(Y)=a²V(X)です。Xの平均が50、分散が16で、Y=2X+10とすると、E[Y]=2×50+10=110、V(Y)=2²×16=64、標準偏差は8です。全データに10を足しても散らばりは変わりませんが、2倍すると平均からの距離も2倍になり、分散は4倍になります。bまで二乗して分散へ足すのは典型的な誤りです。
範囲の確認先: 統計検定センター「統計検定3級」
確認クイズ
確率変数 X の V(X) = 16 のとき、標準偏差 σ(X) はいくらか。
- 2
- 4
- 8
- 256
こたえを見る
正解: 2. 4
σ(X) = √V(X) = √16 = 4。
確認クイズ
E[X]=50、V(X)=16のとき、Y=2X+10の平均と分散の組合せはどれか。
- E[Y]=60, V(Y)=26
- E[Y]=110, V(Y)=32
- E[Y]=110, V(Y)=64
- E[Y]=120, V(Y)=64
こたえを見る
正解: 3. E[Y]=110, V(Y)=64
E[Y]=2×50+10=110、V(Y)=2²×16=64です。定数10の加算は分散を変えません。