二項分布の期待値と分散は、統計検定3級の出題範囲に含まれる確率分布の基本事項です。
二項分布 B(n, p) の期待値と分散には便利な公式があるの。
ふふ、E[X] = np、V(X) = np(1-p) よ。
覚えておくと公式当てはめだけで解ける問題が多いわ。
じゃあさ、サイコロを60回振って1の目が出る回数の期待値ってどれくらいになるの?
n=60, p=1/6 だから E[X] = 60 × 1/6 = 10。
期待値は10回ね。
わぁ、シンプルですねぇ♪
分散は np(1-p) = 60 × 1/6 × 5/6 = 60×5/36 ≈ 8.33 になるのよ。
標準偏差は √8.33 ≈ 2.89 ね。
つまり中心は10回、ばらつきの尺度である標準偏差は約2.9回と読めるわね。
ただし、結果が必ず10±2.9回に収まるという保証ではない点に注意しましょう。
二項分布の期待値・分散 公式 (B(n, p)): E[X] = np V(X) = np(1-p) σ(X) = √(np(1-p)) 例: サイコロを60回振って1が出る回数X (B(60, 1/6)) E[X] = 60 × 1/6 = 10 V(X) = 60 × 1/6 × 5/6 = 50/6 ≈ 8.33 σ(X) = √8.33 ≈ 2.89 例: コインを10回投げて表の回数X (B(10, 0.5)) E[X] = 10 × 0.5 = 5 V(X) = 10 × 0.5 × 0.5 = 2.5 σ(X) = √2.5 ≈ 1.58
二項分布になる四つの条件
二項分布B(n,p)を使う前に、(1)試行回数nが固定、(2)各試行の結果が成功・失敗の二つ、(3)各試行が独立、(4)成功確率pが一定、の四条件を確認します。10個の製品を独立に検査し、各製品の不良確率が0.1なら不良数は二項分布です。一方、小さな箱から製品を戻さず抽出すると、残りの構成が変わってpが一定にならないため、原則としてそのまま二項分布とはみなしません。
公式の意味と解き方
各試行について、成功なら1、失敗なら0となる指示変数を考えると、その期待値はp、分散はp(1-p)です。成功回数Xはn個の指示変数の和なので、期待値はnp、独立なら分散はnp(1-p)になります。期待値npが6.4回のような小数でも誤りではありません。実際の成功回数は整数ですが、長期反復での平均は小数になり得ます。
問題では最初にnとpを抜き出し、求めるものが期待値、分散、標準偏差のどれかに印を付けます。期待値はnp、分散はnp(1-p)、標準偏差はその平方根です。確率P(X=k)を求める問題では組合せを含む二項確率の式が必要で、平均・分散の公式だけでは求まりません。
よくある誤解
- 「期待値6回」を、必ず6回成功するという予測と考える。
- pではなく失敗確率1-pを成功確率として代入する。
- 分散np(1-p)と標準偏差√np(1-p)を取り違える。
- 独立でない戻さない抽出にも、条件を確認せず二項分布を使う。
範囲の確認先: 統計検定センター「統計検定3級」
確認クイズ
二項分布 B(20, 0.3) の期待値と分散の組み合わせとして正しいものはどれか。
- E=6, V=2.4
- E=6, V=4.2
- E=4.2, V=6
- E=20, V=0.3
こたえを見る
正解: 2. E=6, V=4.2
E = np = 20×0.3 = 6、V = np(1-p) = 20×0.3×0.7 = 4.2 → E=6, V=4.2。
確認クイズ
次のうち、成功回数を二項分布で表すための条件を満たさないものはどれか。
- 公平なコインを10回投げたときの表の回数
- 各回独立で成功確率0.2の試行を5回行った成功回数
- 赤3個・白2個の袋から、玉を戻さず2個取ったときの赤の個数
- 不良確率が各製品で一定かつ独立な20製品の不良数
こたえを見る
正解: 3. 赤3個・白2個の袋から、玉を戻さず2個取ったときの赤の個数
戻さず抽出すると袋の構成が変わり、2回目の赤の確率が1回目の結果に依存します。したがって、通常の二項分布の独立・p一定の条件を満たしません。