データの線形変換と平均・分散

Y=aX+b の変換で、平均・分散・標準偏差はどう変わるか。単位変換と標準化の前提を学びます。

すべてのデータを a 倍して b を足したらどうなる?平均と分散の変化を3級レベルで整理します。

茶谷 結(普段) 茶谷 結

データ Xᵢ をすべて a 倍して b を足した、新しい変数 Y = aX + b を考えてみるの。

墨谷 まる(普段) 墨谷 まる

えっ、そんなことして何になるの?

白河 恭子 先生(笑顔) 白河 恭子 先生

単位変換でよく出てくるのよ。
たとえば℃→℉(華氏)の変換は F = 1.8C + 32 という線形変換ね。

茶谷 結(普段) 茶谷 結

公式は3つ。
(1) E[Y] = a × E[X] + b、(2) V(Y) = a² × V(X)、(3) σ(Y) = |a| × σ(X) よ。

橙川 こよみ(普段) 橙川 こよみ

なんで分散だけ a の二乗になるんですかぁ?

茶谷 結(笑顔) 茶谷 結

分散は『平方の平均』だからね。
a 倍されると a² 倍に拡大するの。
標準偏差は元の単位に戻したものだから |a| 倍になるのよ。

墨谷 まる(笑い) 墨谷 まる

あ、切片 b は分散には効いてこないんだね!

白河 恭子 先生(普段) 白河 恭子 先生

そうなのよ。
b は全データを一律に平行移動するだけだから、ばらつきは変わらない。
ここがポイントね。

墨谷 まる(びっくり) 墨谷 まる

じゃあクラス全員の点数に一律 +10点しても、あたしたちのばらつきは1ミリも変わらないってこと?

白河 恭子 先生(笑顔) 白河 恭子 先生

そのとおり。
全員が同じだけ上がるなら、点差(ばらつき)はそっくり残るのよ。

線形変換の公式 (Y = aX + b)

  期待値    E[Y] = a × E[X] + b
  分散      V(Y) = a² × V(X)
  標準偏差  σ(Y) = |a| × σ(X)

例: テストの素点 X が μ=70, σ=10 のとき
    Y = 0.5X + 30 (採点圧縮+ボーナス)

  E[Y] = 0.5 × 70 + 30 = 65
  V(Y) = 0.5² × 100 = 25
  σ(Y) = 0.5 × 10 = 5

  → 平均は65点に下がり、ばらつきも半分(σ=5)に

例: 気温の ℃→℉ 変換 (F = 1.8C + 32)
    平均 25℃, 標準偏差 4℃ のとき

  平均     = 1.8 × 25 + 32 = 77℉
  標準偏差 = 1.8 × 4      = 7.2℉   (+32 は標準偏差に効かない)

標準化との関係
  Z = (X − μ) / σ = (1/σ)X + (−μ/σ)
  → a = 1/σ, b = −μ/σ の線形変換
  → E[Z] = 0, V(Z) = 1 になることが式から確認できる

確認クイズ

確率変数 X が μ=50, σ²=16 のとき、Y = 2X + 10 の分散はいくつか。

  1. 32
  2. 42
  3. 64
  4. 100
こたえを見る

正解: 3. 64

V(2X+10) = 2² × V(X) = 4 × 16 = 64。切片10は分散に影響しません。

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